擁壁のある不動産は売れる?規制や売却方法も解説

擁壁のある不動産は売れる?規制や売却方法も解説

所有している不動産に擁壁があり、「維持費がかかるうえ、なかなか買い手がつかない」とお困りではありませんか。
擁壁は安全性への懸念や高額な補修費用がネックとなりやすく、適切な対策をおこなわずに売り出しても、売却活動が長期化してしまう恐れがあります。
本記事では、擁壁の基礎知識から売却が難しい理由、さらに不動産会社への買取を含めたスムーズな売却方法について解説します。
擁壁付きの不動産を少しでも安心して、かつスムーズに手放したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってください。

擁壁とは

擁壁とは

擁壁のある物件を売却する際は、その構造的な役割や、がけ条例等の規制について理解しておく必要があります。
まずは、擁壁の定義や土地の安全性に関わる関連法規について、解説していきます。

擁壁の定義と役割

擁壁とは、高低差のある土地で土砂の崩れを防ぎ、敷地を安定させるための壁状の構造物です。
境界のブロック塀とは異なり、土の重みに長期間耐え続ける強度のある設計が求められます。
山や丘が多い日本では、斜面を削る切土や土を盛る盛土によって、宅地を造成することが少なくありません。
こうした造成で生じた段差は、雨水の浸透や地盤変化で動きやすくなるため、しっかりとした支えが必要です。
そのため、擁壁で斜面を固定し、安全で建物計画が立てやすい宅地へ整えます。

傾斜地に必要な理由

擁壁が必要となる理由は、土地の安全性を確保し、建物を守りながら安心して取引できる状態を整えるためです。
土には自立できる角度に限界があり、急勾配のままでは、重力や外力の影響で地盤が動く可能性があります。
とくに、日本は地震が多く、台風や梅雨の大雨で土が水分を含むと重くなり、滑りやすくなる環境にあります。
適切に機能する擁壁があれば、こうした条件下でも土砂の移動を抑え、暮らしの基盤を支えてくれるでしょう。
なお、不動産取引では、擁壁の有無だけでなく、法令適合性や構造的な安全性が、物件評価の重要なポイントとなります。

がけ条例と安全基準

擁壁には、建築基準法や盛土規制法の基準があり、高さが2mを超える場合は、原則として確認申請が必要です。
検査を受けて検査済証を取得していれば、売却時にも適法性を説明しやすくなります。
高さが2m以下でも安全確保の責任はあるため、図面や確認書類は整理しておきましょう。
また、自治体のがけ条例では、勾配30度超や高さ2mまたは3m超の斜面が対象となることが多く、建築計画に影響します。
がけ付近の建築は離隔距離の規定がありますが、適切な擁壁が確認できれば柔軟に判断される場合もあるため、現地確認や専門家への相談が有効です。

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擁壁付き不動産が売りにくい3つの理由

擁壁付き不動産が売りにくい3つの理由

前章では、擁壁の基礎知識を述べましたが、実際の不動産取引においては、擁壁特有のポイントを事前に理解しておくことが重要です。
ここでは、擁壁のある不動産を円滑に取引するために、注意しておくべき要因について解説します。

劣化による危険性への懸念

擁壁は、長年にわたり土圧や雨水の影響を受け続けるため、ひび割れや傾きが生じると安全性への不安が一気に高まります。
排水機能が低下して内部に水圧がかかると、地滑りや倒壊のリスクが指摘されるケースもあり、買主は慎重になる傾向があります。
とくに、老朽化した擁壁は「危険な擁壁」と判断される可能性があり、金融機関の評価にも影響することがあるのです。
外観だけでは内部の状態がわかりにくいため、劣化状況をどのように説明できるかが取引のポイントになります。
なお、専門家の診断結果や過去の補修履歴が整理されていない場合、リスクを懸念して購入を見送られることも少なくありません。

高額になりやすい補修・再構築費用

擁壁の補修や再構築には専門的な土木工事が必要となり、想定よりも高額な費用がかかる場合があります。
高さや延長距離にくわえ、重機の搬入経路や隣地との距離など、周辺環境によっても金額は大きく変動します。
また、場合によっては数百万円規模になることもあり、買主にとって将来的な負担となってしまうでしょう。
さらに、費用の見通しが立っていなければ、価格交渉が長引いたり、契約条件の調整が必要になったりするケースもあります。
そのため、工事の可能性や概算費用を整理していない物件は、慎重に判断される傾向があります。

建て替えや増改築時の制限

擁壁のある土地で建て替えや増改築をおこなう場合、現行法基準への適合確認が求められ、追加調査が必要になることがあります。
既存の擁壁が現在の基準に適合していないと判断されると、補強や再工事を求められる可能性もあります。
さらに、がけ条例などが関係するエリアでは、建物の配置や規模に制限がかかり、計画が想定どおり進まないこともあるのです。
その結果、希望する間取りや建築計画が実現できないと判断され、購入をためらう買主もいらっしゃいます。
このように、将来の建築計画に不確実性が残る点が、擁壁付き不動産の売却を難しくする要因の一つと言えるでしょう。

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擁壁物件を売却する方法は?

擁壁物件を売却する方法は?

ここまで、擁壁物件の特徴や注意点を解説しましたが、適切な対策を講じることで、スムーズに売却できる可能性は十分にあります。
最後に、擁壁付き不動産を売却するための、具体的な手段について解説していきます。

専門家による調査の実施

売却活動を始める前に、まずは建築士などの専門家に依頼し、擁壁の種類や状態を客観的に確認してもらいましょう。
図面や検査済証があれば、構造や築造時期が整理でき、説明の説得力が増すだけでなく、質問にも答えやすくなります。
現地調査では、ひび割れの状況や水抜き穴の機能などを点検し、補強の必要性や優先順位を明確にすることが大切です。
そのうえで、補修や排水改善を含めた最適なプランを提示してもらうと、判断がスムーズになり時間の短縮にもつながります。
調査結果は写真付きの報告書にまとめておくと、内覧時の説明がわかりやすくなり、情報も正確に伝わるでしょう。
また、条例への適合状況などについても資料化しておくことで、買主の安心感を高めることができます。

補強工事による価値の向上

必要な補強工事をおこなうことは、買主の不安を和らげ、物件の魅力を高める有効な方法です。
工事後は施工報告書や写真を保管し、排水経路や水抜き穴の位置を整理しておくと、引渡し後の管理にも役立ちます。
盛土規制法やがけ条例への適合確認書類を添えれば、法令順守の姿勢が伝わり安心材料になるでしょう。
あわせて、定期点検の時期や清掃方法を共有しておくと、購入後の管理イメージが具体的になります。
さらに、費用は工事単体で見るのではなく、外構維持費や光熱費も含めて家計全体で考えると、納得しやすくなります。

不動産会社への相談と買取の活用

早期売却を目指す場合、擁壁物件の取り扱いに慣れた不動産会社へ相談し、買取の提案を受けるのも一つの方法です。
買取であれば、調査や工事を見込んだ提案が受けられるため、仲介よりも手続きが進めやすい場合があります。
一定期間は仲介で販売し、期限後に買取へ切り替える仕組みを活用すれば、計画に合わせた売却がしやすくなります。
なお、検討時は価格だけでなく、引渡し時期や測量の対応などの条件もあわせて、整理しておくことが大切です。
事前に資料や今後の方針を共有しておけば、確認事項が明確になり、納得感のある取引につながります。

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まとめ

擁壁とは、斜面の土砂崩れを防ぎ宅地を支える重要な構造物であり、とくに高さ2mを超える場合などは、法令に基づく安全性の確認が必要です。
取引を円滑に進めるには、水抜き穴などの維持管理状況にくわえ、将来発生する補修費用や建て替え時の法適合についても、事前に確認することが重要です。
専門家による詳細な調査や適切な補強工事をおこない、状況に応じて不動産会社への買取なども検討すると、売却は実現できるでしょう。

奈良市不動産買取センター

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