不動産相続でかかる税金の基本!知っておきたい種類・計算法・控除を解説

不動産コラム

不動産相続でかかる税金の基本!知っておきたい種類・計算法・控除を解説

身近な方が亡くなって、建物や土地などを相続するときは、どのような税金がかかるのかを把握しておきたいところです。
税金のことを見落としていると、不動産相続によって思わぬ出費が発生し、かえって損をしかねません。
そこで今回は、不動産相続でかかる税金の種類、税額の計算法、課税を抑えられる控除を解説します。

不動産相続でかかる税金の種類

不動産相続でかかる税金の種類

不動産相続でかかる税金には、登録免許税と相続税の2種類があります。

登録免許税

登録免許税とは、不動産の名義変更にともなう税金です。
不動産は所有者の名義が登録されており、相続が起きると登録上の名義人と実際の所有者が食い違う形となります。
そこでおこなわれるのが、不動産相続にともなう名義変更の手続きである相続登記です。
相続登記を済ませれば、不動産の名義が相続人へと変わるため、名義に関する問題はなくなります。
ただし、不動産の相続登記をおこなう際には、登録免許税を納める必要があります。
原則として、納付は現金でおこないますが、税額が3万円以下なら収入印紙が使用可能です。
現金を選んだときの納付窓口は、登記所ではなく金融機関なので、あらかじめ確認しておきましょう。
納付の手順に関して、まずは金融機関にある専用の納付書に必要事項を記入します。
次に、記入済みの納付書と規定の税額を窓口に収め、領収証書を受け取ります。
このあと、登記の申請書に領収証書を貼り付け、登記所へと提出すれば完了です。
収入印紙で納付するときは、郵便局やコンビニエンスストアなどで、規定の税額分の収入印紙を購入します。
専用の台紙に貼り付けて、登記の手続きに併せて提出すれば、納付は完了です。

相続税

相続税は、相続人が遺産を受け取るときに課せられる税金です。
ただし、受け取った遺産が基礎控除額を超えなければ、税金は発生しません。
税額の計算や納付書の用意などは、相続人が自分でおこないます。
納付方法は、原則として一括であり、平成29年からはクレジットカード払いが可能となりました。
クレジットカード払いを選ぶ際には、国税クレジットカード支払いサイトを利用する必要があります。
また、クレジットカードによる1回あたりの納付額は、1,000万円未満と定まっています。
くわえて、領収証が発行されなかったり、決済手数料が別途かかったりするなどに注意しましょう。
インターネットを使えば、自宅から税金を納付できて便利ですが、注意点は事前によく確認しておくことが大切です。

不動産相続でかかる税金の計算法

不動産相続でかかる税金の計算法

不動産相続でかかる2種類の税金に関して、税額の計算法は以下のとおりです。

登録免許税の計算法

登録免許税の税額は、以下の式で計算可能です。
登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
固定資産税評価額は、市区町村が3年に1度の頻度で決めている評価額です。
現時点での評価額は、役所で閲覧できる固定資産評価証明書などで確認できます。
登録免許税の計算に用いるときは、1,000円未満の端数は切り捨てます。
計算結果の税額に関しては、100円未満の端数は切り捨てて構いません。

相続税の計算法②:相続税評価額

相続税を計算するとき、まずは課税対象額を把握するため、遺産の種類ごとに相続税評価額を調べる必要があります。
相続税評価額とは、相続税を計算するうえでの評価額です。
土地に対しては路線価方式と倍率方式のどちらかを使うなど、遺産の種類によっては特殊な方法が指定されているケースもあるため、事前に確認してください。
遺産となった現金や預貯金、不動産、株式などの相続税評価額を集計したら、葬式費用や故人が残した借金などを差し引きます。
最後に残った金額が、相続税評価額の合計値となります。

相続税の計算法②課税対象額

相続税評価額の合計値を計算できたら、課税対象額を調べるため、基礎控除額を差し引きます。
相続税の基礎控除額は、以下の式で計算可能です。
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×相続人の人数
相続税評価額の合計値から基礎控除額を差し引いて残った金額が、相続税の課税対象額となります。

相続税の計算法③相続税の総額

次に、計算できた課税対象額を、法定相続分にしたがって、各相続人へと一度按分します。
配偶者と子どもが相続人なら、法定相続分は2分の1ずつです。
子どもが複数いるときは、全体の2分の1を人数に応じて等分しましょう。
配偶者と直系尊属では、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1を受け取ります。
このように、法定相続分は各相続人の立場や人数によって変わるため、理解しておくことが大切です。
按分が終わったら、以下の式で税額を計算します。
各相続人の税額=按分された課税対象額×税率-控除額
なお、上記で計算する税額は、実際の負担額ではありません。
この段階で計算する税額は、あくまで相続税の総額を計算するための一時的な割り当て額です。
そのため、計算した税額を各相続人が実際に負担するのではなく、すべてを一度合計して相続税の総額を計算します。

相続税の計算法④各相続人の負担額

相続税の総額を計算できたら、各相続人が実際に受け取る遺産の割合に応じて、税額を按分します。
各相続人が何をどれだけ受け取るかは、遺言書の指定にしたがうか、遺産分割協議で決めます。
なお、遺産を受け取る方が配偶者・子ども・父母・代襲相続人となった孫以外の場合は、割り当てられた税額が2割高くなるので気を付けてください。

不動産相続でかかる税金を抑える控除

不動産相続でかかる税金を抑える控除

不動産相続でかかる税金を抑える控除には、主に配偶者控除と相次相続控除の2種類があります。

配偶者控除

配偶者控除とは、配偶者が遺産を受け取る状況を想定した制度です。
高額な相続税が発生すると、税金を負担できないことを理由に、配偶者が遺産を放棄する可能性があります。
それでは、残された配偶者が生活に困りかねないため、配偶者控除で保護されています。
制度の目的から、相続税における配偶者控除は、非課税額が高めです。
本控除が適用されると、配偶者は1億6,000万円までなら、遺産を受け取っても相続税を課せられません。
さらに、1億6,000万円を超える額でも、法定相続分に相当する額までなら、同じく非課税です。
配偶者控除を使えば、配偶者には相続税があまりかからないため、高額な遺産でも安心して受け取れます。
控除の適用要件は、まず配偶者が故人と籍を入れていたことです。
併せて、相続税の申告期限までに遺産分割が終わっており、なおかつ、相続税の申告書を税務署まで提出することが必要です。

相次相続控除

相次相続控除は、10年間のうちに相続が連続で起きた状況を想定した制度です。
制度の目的は、短期間のうちに連続した相続税の負担を軽減することです。
たとえば、祖父が亡くなって父が遺産を相続したのち、その父もまもなく亡くなって、子どもが遺産を相続するときなどに、本控除を使える可能性があります。
相次相続控除の対象となる期間は、前回の相続から10年以内です。
前回の相続から10年が過ぎると、期間に関する要件を満たせなくなるため注意しましょう。
また、今回の相続における被相続人が、前回の相続における相続人であり、遺産を実際に受け取って相続税を課せられていることなども必要です。
相次相続控除が適用されると、前回の相続で課せられた相続税の一部が、今回の相続税から控除されます。

まとめ

不動産相続にともなう税金の種類には、不動産の名義を変更するときの登録免許税と、相続人が遺産を受け取るときの相続税があります。
税額の計算法に関して、登録免許税は固定資産税評価額を確認すればすぐに計算できますが、相続税は相続税評価額を集計するところから計算を始めることが必要です。
税額を抑える主な控除には、配偶者の生活を守るための配偶者控除、相続が連続したときの負担を軽減する相次相続控除の2種類があります。


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